●借金球団の日本一も 阪神鳥谷の飛球をセンター青木がガッチリつかむと、神宮の森にヤクルトファンの歓喜がこだました。 ヤクルトが9日の阪神との最終決戦を制しセの3位を確定させ、クライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。 前年5位に沈んだヤクルトの高田監督は、「オールスター前は間違いなく(CSへ)行けると、 ファンも周りも思っていたでしょう。もつれた分だけCSに出られる喜びは大きい」と安堵の表情を見せた。 だがしかし、そもそもヤクルトにCS出場の資格なんてあるのか。 ヤクルトはここまで142試合を消化して69勝72敗1分け。残る2試合(11日=中日戦、12日=巨人戦) に連勝しても、勝率は5割に届かない。そんなチームがCS(当時はプレーオフ)に出るのは、 05年の西武(67勝69敗)以来だ。 とはいえ、その借金チームが17日からのCS第1ステージ(ナゴヤドーム)で、12.5ゲーム差(9日現在) も離された2位中日を破ればどうなるか。CS第2ステージ(21日〜東京ドーム)で、セの覇者巨人と 日本シリーズキップを懸けて対戦することになる。 ヤクルトは今季、巨人に対してわずか4勝(18敗1分け)しかあげていない。それでも、過去にCSを戦った 選手たちは皆、「短期決戦は勢いが大事」と口を揃える。勝率5割未満でも、中日を退けた勢いで苦手な 巨人さえも撃破し、頂上決戦にコマを進める可能性はある。 (続く)
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