・昨年の衆院選で掲げた公約通り、月2万6000円まで引き上げるのかどうか−−。16日夜、 民主党本部であったマニフェスト企画委員会は、1万3000円の子ども手当の満額への アップを取りやめる流れを定めた。 「ギリシャみたいになっては困る」。財政破綻を危惧する菅財務相はそうまくし立て、仙谷国家戦略 担当相らも赤字国債の増発を戒めた。マニフェスト見直しに慎重な小沢幹事長の側近、高嶋筆頭 副幹事長も強い異論は唱えず、関係閣僚で独り「満額」を主張してきた長妻厚労相は押し黙った。 終了後、長妻氏は「(保育サービスなど)現物に充てろという議論もあった。政務三役で議論したい」 と語り、かたくなに修正を拒んできた姿勢を初めて転換させた。 4月22日、首相官邸。国と地方の協議の場で、全国市長会長の森・新潟県長岡市長は、 鳩山首相を前に「福祉は子ども施策だけではない」と訴えた。「手当の満額支給には年間、 個人市民税(125億円)に匹敵する112億円が必要」。森氏が示した市の試算に首相は目を むいて驚き、「他の福祉施策とのバランスは重要だ」と応じた。 減額の口火を切ったのは、3月末に上積み分を給食費に充てるようぶちあげた仙谷氏だ。 原口総務相も減額の可能性に触れた。 主要閣僚が修正を口にするのは、満額に要する財源3兆円を見いだせないから。減額には 党から異論も出て参院選マニフェストの議論は迷走したが、政府・民主党は「2万6000円」の 表記は避けつつ、「上積みする」との一言を盛り込む玉虫色決着を描く。 長妻氏も簡単に折れたわけではない。周囲には「公約を変えるなら衆院選をもう1回やらないと」 と漏らし、先日も厚労省の今別府敏雄会計課長に「難しいかもしれないが、財源は」と問うた。 しかし答えは「子ども手当に所得制限を入れることで1000億円程度なら」。長妻氏は「うーん」と うなり、黙り込んだ。(>>2-10につづく) ※前:
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