山口県光市で主婦と幼い娘が殺害された事件で、起訴された元少年の実名を明かした本をめぐり、 元少年が出版禁止などの仮処分を裁判所に求めているなかで、7日、東京都内の 一部の書店には本が並び始めました。元少年の弁護団は「非常に遺憾だ」と話しています。 この本は、平成11年に山口県光市で主婦の本村弥生さん(当時23歳)と生後11か月だった 長女の夕夏ちゃんが殺害された事件に関するもので、死刑を言い渡されて上告中の 当時18歳だった元少年の実名を明かしたうえで、人物像や犯行にいたるまでの 経緯が書かれています。この本について、元少年が、5日、「実名報道を禁じた 少年法に違反する」として、出版や販売の禁止などを求める仮処分を広島地方裁判所に 申し立てました。裁判所の決定が出されないなか、この本は、7日午前中、本の 取次業者から東京都内の一部の書店に届けられました。このうち、千代田区の書店では、 本が店頭に平積みにされ、客が、早速、手に取ったり買い求めたりしていました。 本の出版について、出版元の「インシデンツ」や著者の増田美智子さんは 「元少年とは何度も面会と手紙のやり取りを重ね、ほんとうの姿を知ってもらうために 実名に踏み切った」と話しています。一方、元少年の弁護団は、「出版によって 私的な情報が明かされ、元少年は著しい損害を受けることになる。社会的な問題でもあり、 裁判所の判断を待つのが出版社としてのあるべき姿で、現時点での出版は非常に遺憾だ」と話しています。 *+*+ NHKニュース 2009/10/07[12:44] +*+*
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