★ジーンズの価格破壊にメーカー悲鳴 ・ジーンズ業界が、総合スーパーなどによる激安品の相次ぐ発売に悲鳴を上げている。 低価格志向を強める消費者が飛びつき、顧客離れが加速しているためだ。ジーンズメーカーや ジーンズを主力商品とする衣料品販売会社は、軒並み業績を悪化させている。 「リーバイス」ブランドを展開するリーバイ・ストラウス・ジャパンが今月発表した平成21年 11月期決算の第3四半期までの累計は、売上高が前年同期比19・7%減の約132億円と 大きく落ち込んだ。 カジュアル衣料販売大手のジーンズメイトも先月、平成22年2月期の連結営業損益見通しを 従来予想の2000万円の黒字から3億9000万円の赤字に下方修正した。ジーンズメイトの 福井三紀夫社長は「激安品に顧客を食われた」と肩を落とす。 深刻な販売不振を受け、事業縮小の動きも出ている。国内メーカー大手のボブソン(岡山市)は 月内にも、「ボブソン」ブランドを企業再生会社に譲渡し、子供服の製造販売に事業を絞る。 影響は素材分野にも及び、クラボウはデニム生地の糸を生産する岡山工場を6月末に 閉鎖した。 ジーンズの“価格破壊”を最初に仕掛けたのは、カジュアル衣料店「ユニクロ」を展開する ファーストリテイリングだ。3月に、傘下のユニクロ姉妹店「ジーユー」から990円の プライベートブランド(PB、自主企画)商品を発売した。これに、イオンなど総合スーパー各社が 追随し、今月14日には、ディスカウント販売大手のドン・キホーテも最安値となる690円の PB商品を売り出した。 各社とも大半の商品の製造を人件費の安い中国企業に委託しており、国内メーカーはほとんど 恩恵を受けていない。激安品への対抗策として、ジーンズメイトは自らPB商品の発売を検討 しているが、価格競争に巻き込まれる懸念はぬぐえない。若者のジーンズ離れもあり、 「(販売回復の)特効薬が見当たらない」(福井社長)と、専業メーカーは苦悩を深めている。 ※前:
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