小沢一郎民主党幹事長の元秘書らが逮捕された事件をめぐり、 政府・民主党内で、検察当局との対立姿勢を鮮明にした小沢氏への 擁護に熱が入るあまり、報道規制につながりかねない動きが出始め た。国民の「知る権利」にもかかわる問題だけに、党内にも懸念が 広がっている。 (高山晶一) 政府や民主党執行部の頭にあるのは、検察当局が意図的に 捜査情報を報道機関に漏らし、世論誘導して小沢氏を悪者に仕立て 上げているのではないか、という疑念だ。こうした意識が検察捜査と 報道のあり方を見直す動きにつながっている。 代表例は十九日の原口一博総務相の発言。原口氏は記者会見 で、情報源を「関係者によると」とした記事やテレビニュースが多い ことを取り上げ「何の関係者か分からない。検察の関係者か、被疑者 の関係者か。少なくともそこは明確にしなければ、電波という公共の ものを使ってやるには不適だ」と述べた。 一般論という前提だが、放送局への監督権限を持つ立場を考えれ ば異例の発言だ。 平野博文官房長官も二十日の記者会見で、情報源を「関係者」とした 報道について「双方の言い分を並べて、初めて国民に判断されるの ではないか。利害が相反する時に、一方的にやられることはよくない」 と苦言を述べた。 民主党が検察当局の情報漏えいの実態を調べる「捜査情報漏えい 問題対策チーム」を設置したのも、検察の動きをけん制するとともに、 小沢氏をめぐる報道を意識しているのは明らかだ。 東京新聞
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