県選出・出身の民主、社民、国民新、無所属の衆参国会議員7人でつくる「うるの会」(会長・喜納昌吉参院議員) は29日、北沢俊美防衛相と国会内で面談し、米軍普天間飛行場の移設先として硫黄島(東京都小笠原村)を提案した。 会談後、喜納氏によると北沢氏は「さまざまな案を検討している最中だ。案の一つとして受け止める」と述べたという。 面談には、うるの会全員が出席した。普天間飛行場の移設先をめぐっては、岡田克也外相が米軍嘉手納基地への統合 を検討し、北沢氏が現行の辺野古移設案を容認する姿勢を示している。 政府内での移設先の検討が「県内移設の枠内にとどまっている」と危機感を募らせた、うるの会が県外も選択肢 となるよう提案した。同会が、普天間飛行場の移設先として県外の具体的地域を政府に提案したのは初めて。 ただ同案には、同会の内部でも実現を疑問視する意見がある。 硫黄島は、沖縄本島の東1380キロの海上にある面積約22平方キロの島。約2600メートルの滑走路があり、 海上自衛隊の基地となっている。一般住民はいない。神奈川県の米軍厚木基地で実施していた米艦載機の 夜間離着陸訓練(NLP)の一部が硫黄島で移転実施されるなど米軍訓練の移転代替地としての実例がある。 硫黄島への移転は、2005年に翁長雄志那覇市長が提案した経緯があるが、生活環境面などから米側は同島への 移転には否定的との見方がある。 06年1月、翁長市長は東京都の石原慎太郎知事、神奈川県の松沢成文知事と会談し、硫黄島への移設案を提案した。 [琉球新報]2009年10月30日
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