・鳩山内閣発足を受けた新聞社・テレビ局の世論調査では、内閣支持率が軒並み70%を超えた。 その報道をみて多くの国民や政治家も圧倒的な期待と支持があるように感じたことだろう。 一方、ニコニコ動画上で実施されたアンケートでは、支持25%、不支持36%と、全く異なる結果に。 特徴的だったのは支持・不支持について「どちらともいえない」が約4割を占めたことだ。新聞・テレビの 熱狂的な報道の中で冷静な対応をみせるネットユーザーの姿が浮かぶ。9割が支持・不支持の態度を 明確にしている大手メディアの世論調査の方がむしろ不自然に思えてくる。 この調査で注目されたのは、「政治に関する情報をどの媒体から多く入手しているか」という設問への 回答別支持状況に無視できない違いがあるという分析だ。結果は次の通り。 ・「新聞報道」から入手 →支持37%〉不支持25% ・「TV報道」から入手 →支持38%〉不支持14% ・「ネット」から入手 →支持14%〈不支持56% 政治に関する情報源として新聞・テレビの報道を主にする人と、ネットを主にする人になぜこれほどの 大きな違いが出るのかを考えることは価値があろう。 例えば内閣発足の翌日、ブログ論壇では、鳩山首相が以前から、政権をとったら首相記者会見を フリージャーナリストやネットメディアにも開放すると言っていた約束が実現されなかったことに対して、 「最初の公約破り」であるとの批判があふれた。私も当日、ツイッターで「民主党」のリアルタイム検索を 行ったが、膨大なエントリーがこの問題に言及していた。個別の閣僚に関しても、期待も失望も、絶賛も 酷評も、ごった煮のように流通していた。 ネットの政治情報も新聞記事が元になっているケースは多い。同時に、ネットでは新聞などの報道内容に 対する他人の反応も判断材料になる。ネットのコミュニケーション空間では、新聞やテレビの情報を そのまま信じるのではなく、批判的にみるというフレームが自然に形成されており、それが態度保留という 反応をもたらしているのではないだろうか。(2-10につづく)
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